きっと何者にもなれない自分へ告げる

 

生存戦略しましょうか、とテレビの画面越しに言われたのは2011年のことだったか。当時は何とも思わなかった言葉を思い出す。(画像は作中のアレのリアル版)

きっかけはキャリアについてモヤモヤしていたときに参加したとあるイベントでのパネリストの言葉だった。

「何でもアリのWeb系に来たんだろ?キャリアくらい自分で考えろよ!」

モヤモヤ度MAXの自分には刺さりすぎた言葉だった。ウダウダしてないで、ここらで現状を整理して今後の行動指針となるべきものを作ってみようと思い立ったので書き殴ってみる。

キャリアを考える前に、まずはこのまま生きたいかということを考えてみる。極論かもしれないが、拠り所を作る以上スタートラインは根源的なところに置いておく。

なぜ生きるかと言われたら死ぬ理由がないからとしか言えない。非常に受け身かもしれないが、この通りだから仕方ない。生きる意味を宗教とかヒトモノに求める人もいるかもしれないが、そこにすがるつもりはない。(決して否定しているわけではない)

さて、今の生活を維持しながら生きるためにはお金が必要だ。お金を稼ぐには働かなくてはならない(と思っている)。働かなくてもお金を稼ぐ方法はあると思うが、働く方が自分の性に合っている。

働く上で何を食い扶持にするか?今は曲がりなりにもソフトウェア開発者として雇用され、生きていくためのお金を稼いでいるが、そこに拘る理由はあるのだろうか?答えはYesだ。もしかしたら自分には全く違う仕事が向いているかもしれないが、モノを作るのが好きだし、そして何よりもソフトウェア開発は楽しい。よってこの道で食べていければベストだと考えている。

ではソフトウェア開発で食べていくとして、どのような技術者なりたいか?ハッカー?著名な技術者?考えてみると、肩書とかポジションに対する欲求は全くなく、つまるところ誰かに認められたいだけのような気がする。ありきたりだが、自分が必要とされることがモチベーションに繋がるのは間違いない。よってどうなりたいかというと、誰かに必要とされその期待に応えられるような存在、というひどく抽象的なイメージしか湧いてこない。

どうなりたいか、という軸ではゆるふわな感じだが、それとは別にどう生き残るかという観点からも考えてみる。今はWindowsデスクトップアプリ開発をしているが、今後もそのニッチな場所に留まって良いのだろうか?非常に迷うところである。

SaaS業界でWindowsデスクトップアプリ開発をしているというニッチさは、現職においては価値あるものとして評価してもらえている。いわゆるWeb業界において需要はほとんどないだろうが、そのニッチさ故に業界での特異な立ち位置を作るのは比較的容易なのではないだろうか。そういう意味でも、今触っているWPFは細く長く続けて良いのかもしれない。ネイティブアプリ開発は好きなので、Windows以外のOSに触れることも見据え、クロスプラットフォーム開発へと進んでも面白そうだ。

ここまでテクニカルな側面を見てきたが、そもそも技術力とは何なのだろう?SIer時代の上司に言われた言葉を思い出す。

「プログラミングだけが技術じゃない。適切な見積りができることも技術、上手い設計ができることも技術、金勘定が上手いことも技術だ。技術の定義を自ら狭めてはいけない。」

当時はプログラミングのスキルを上げることに夢中でピンとこなかったが、最近になって何度もこの言葉を思い返すようになった。上司の言う通り、技術とはプログラミングスキルだけを指す言葉ではないのだと思う。

その上で立ち止まってみると、自分が興味がある分野のうち、賞味期限が長そうで、かつ生き残るための技術として高めていきたい領域があることに気づく。

それはQA(Quality Assurance)だ。例えば開発者が各自テストコードを書いているとして、それは必要十分なテストコードなのだろうか?QA的な観点でのレビューは誰が行い、どのように品質を担保するのか?ということを考えると、QAの知識を持った開発者としての力を高めていきたい思いに駆られる。テストは自動化されるかもしれないが、テストの分析は必ず発生する。そういう意味でQAとしての技術の賞味期限は長いと考えている。

QAとしての技術を磨くためには、プログラミングの力に加え、まずはソフトウェアテストの体系的知識が必要だと考えている。後者は全くと言っていいほど知識がなく、周囲にQAのスペシャリストもいないので、まずはJSTQBで基礎的な力をつけたい。

つらつらと思考を垂れ流してきた。現段階ではここまでしか掘り下げられておらず、立ち返る場所というにはあまりに抽象的で頼りないものではあるが、進むべき道の骨子となるものが見えてきたような気がする。適度に振り返りつつ、少しずつこの骨子をアップデートしていきたい。

生き残ることだけをモチベーションに技術を磨くのは辛い。純粋に技術を磨くのが好きで、その結果生き残っている人たちとの間には超えられない壁があるようと思う。彼らのようにはなれない。きっと自分は何者にもなれないのだ。であれば、何者にもなれないなりに足掻いてみよう。